イージス艦と漁船の痛ましい衝突事故がありました。
海の上は陸上では想像も付かない事が多数あります。新聞報道を見ていて多分わかっていないと思われる記載も多々あるので、ちょっと書いて見ます。
・大型船と小型船の大きさ
大型船はとてつもなく大きいのです。長さが400mにもなるタンカーとか、陸上に縦にして置いたら超高層ビルより大きい。自動車運搬船の壁の高さは、10階建てのビル位はあるでしょう。一方小型船は、それこそ手漕ぎボートの大きさ。ビルより大きい船と手漕ぎボートのように小さな船が同じところを行きかうのが海の世界です。高速道路で小型車から大型トラックはとても大きく見えますが、そんなもんではありません。ビルより大きいやつが突進してくるんです。
・すぐには止まれない、曲がれない
大型船は慣性も働くので、スクリューを止めても1-2km進んでようやく止まるような船もあります。簡単には曲がりません。かなり先を見通して動かさないと危険は避けられません。
・信号の無い交差点の連続
海上には信号機もなければ、車線もありません。特定の航路を除けば進む方向は自由です。つまり、四方八方から船が行きかうのです。そこらじゅうが信号の無い交差点と同じなので、始終周囲を見張らないと危険なのです。
・ヘッドライトはありません
夜間、船は信号機となる信号灯のみを点灯し、暗い海面を凝視して進みます。信号灯により他の船に自船の進行方向がわかるようになっていますので、ヘッドライトなどつけたら他の船のめくらましになって危険なんです。レーダーはあくまでも補助です。頼り切ると危険です。
・波があります
当たり前ですね。時化ている時には波の高さは5mとか10mとかになります。小型船のマストまですっぽり隠れてしまいます。波の合間からひょっこりと突然船が現れる事もあるのです。
また、大型船がたてる波は大変なものなので、小型船はこれをいかに避けるかも考えて操舵する必要があります。
・漁労している船もいます
トロール網を曳いている船は、船の後に長い網がある。これを見越して避けなければなりません。網を曳いている船は急激には曲がれません。下手すれば網の抵抗で転覆します。
・救助は数時間から数日後
消防署から救急車が1分で到着 という訳にはいきません。ヘリでも1時間以上。ただし、連絡がついてみつけてもらえればです。
陸上の乗り物に比べればゆっくり動いているので、のんびりしているように見えますが、止まる・曲がるに時間がかかるので、早期にみつけて早期に手を打たないと危険なのです。そして、何か起きても自分の力でなんとかしなければなりません。広い海ですが、船の操舵は常に緊張の連続になるのは、そんなためです。
今回の事故については、まだ原因が解明されていませんのでコメントは控えますが、
「なんでそんな事もできないんだ?」と思った時は、上に書いてある事を思い浮かべてみてください。
船以外にも、自然現象、生物など海には体験した人でないと想像もできない事が沢山あるのです。
海には不動産もありませんね。余談でした。
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